京の辻から

名残を惜しみ、余韻を楽しみつつ

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

人それぞれに月あかり

珍しく友人から古本まつりに行かないかと声がかかった。 百万遍知恩寺境内で始まっている(10/29~11/3)。 十夜法要を目当てに11月1日に行く予定でいたのを、ころっと変更。 膝の手術をして、まだ杖が離せない状態なので人混みは避けている。 しかし本人か…

百萬合力とは職人たちの心意気

日本最初の官寺、大阪の四天王寺の五重塔は、兵火や雷火で7度も破壊されつつよみがえってきた。そうしたなか、地震によって倒壊したことはない。百済から渡来した金剛重光によって建てられた。金剛一族は〈魂剛〉と名前を変え、1400年にわたって匠の技術を伝…

身命を惜しむ

明日が父の祥月命日なのだが、都合で今日、東本願寺にお参りすることにした。数珠を忘れたことに途中で気づいたものの、取りに引き返す気になれなかった。父にはごめんしてもらおう。父の通勤と私の通学の時間が一緒になる日が時々だがあって、話をしながら…

つまらない

小学校にもっと専科教員をおくべきだ――。 「運動神経の悪い先生に教わる体育ほどつまらないものはない」 「アルコールランプに火を付けられない先生が行なう理科の実験の下で、 ノーベル賞学者は出て来ない」 どう思われます~? 確かに、つまらないと感じる…

ひどすぎやしないか

夕飯準備の合間に、借りてきた上田三四二の小説『惜身命』から「天の梯(はし)」を開いた。宮中歌会始の当日、迎えの車の中で5人の選者のうちの一人の久米川純が交通事故で入院したことを知った関谷。翌日病院に見舞うが、用意した花は供花に変わってしまっ…

〇〇を刻むきっかけの種をまく

6歳だった孫娘Jessieに弟ができる11年前、彼女はベッドの枕元に縫いぐるみを並べ始めた。 赤ちゃんを寝かしつける練習らしく、順番を決め一つずつ抱っこして寝ていたそうだ。 その弟が生まれたあと彼らの家を訪問していたのだが、ある朝、枕元から白い犬のぬ…

うん。しかし、まあ、生きていてみろよ。

郵便局までの道を歩いていると、ふうっと鼻先に漂った香り。橙色の小さな花をびっしりとつけて、金木犀だ。 木犀の漢名は「巌桂」で、たんに「桂」とも言うそうだ『漢語日暦』(興膳宏)。そして、初唐の王績の詩「春桂問答」を引いている。 「いま桃や李の…

自分の中にもう一人の自分を飼う

その瞬間は一過性のものだったとしても、もし心のどこかに蓄えられていれば、なにかを探して生きていくうちに目覚めることもあるだろう。若い時にこそ知っておく、触れておいて欲しい。そう思って、中学生には難しいとは思ったが高校生の胸に働きかけてみた…

まんぷく

夏日の秋晴れ。それでもこの時季、日差しは嬉しい。 誰もが専門外ながら、それぞれに何かしらの関心を持って女3人、大津市の歴史博物館に向かった。もうこれで終わりにしようと思いながら。「壬申の乱」にもちょっと飽きた? そこに“史実”への探求心などとい…

遠くへ行きたい

昨日は朝からの雨で、庇の低い家にこもって気分の晴れない一日を過ごした。 そんな日、こんな句に出会っていた。 浄土にてまた逢うまでの夜長かな もったいなや祖師はかみこの九十年 浄土真宗大谷派、東本願寺第23代法主大谷光演(1875-1943)。正岡子規の影…

淡海の海 夕波千鳥 汝が鳴けば

滋賀県大津市にある三橋節子美術館で拝見すればいいと思っていたので、思いがけない誘いだったが嬉しく同行させてもらった。 大津の友人宅までは車で行って彼女の車に乗り換え、3人で愛荘町立歴史文化博物館へと向かった。 先日、湖東三山のうち一番南の百済…

灯り

肉厚の葉陰にツワブキの花茎が伸び出しているのに気づいて、去年のことは忘れているから小さな感動を覚えたが、その数日後にはこうして葉の上にすっくり、たくさんの蕾を付けて顔を出した(5日)。 茎は何本も伸びるので、意外と花期は長い。黄色い花の色が…

瀬田唐橋上の激闘

政権を二分した大内乱! とは古代史最大の戦乱と言われる壬申の乱のこと。天智天皇が死去し大友皇子が新天皇になると、672年7月、吉野に隠棲していた大海人皇子は挙兵した。 吉野から伊賀、伊勢、美濃と移動し、岐阜県関ケ原の不破に拠点を置いたそうで、湖…

見ておくべきものは、やはり見たい

若い日の夢はあきらめずにじっと抱いていないといけない。自分の身内に力の潮がみちてきたとき、必ずその卵は孵(かえ)る。どうしても形を成さない、しかし夢の一つにはちがいないというものは筐底(きょうてい)深く秘めておく。 ――田辺聖子さんが書いてい…