京の辻から

名残を惜しみ、余韻を楽しみつつ

講座・講演

7対3で生きる

そこはかとないユーモアが漂い、時に笑わせ、時に強く感情を込めた話しぶりで耳目を集める、信野善光寺大勧進第104世貫主栢木寛照氏の90分プラス5分に及ぶお話に聞き入った。いくつか記憶に残った視点を残しておこう。あらゆるものには原点がある。「宗教心…

37歳の石山寺座主さん

「現代における巡礼の意義」というテーマで、石山寺座主・鷲尾龍華さんのお話をうかがってきた(中外日報社の宗教文化講座第1回目 しんらん交流館)。 西国33所第13番札所石山寺の第53世座主は、37歳ととにかくお若い。背負うもの、覚悟の大きさを思い遣…

嵯峨嵐山の地の果てで

中古文学会関西部会の例会でピーター・J・マクミラン氏が「心ときめく古典の世界 - 外国人から見た日本古典文学」と題して講演され、会員以外に一般にも公開されると知り参加させていただいた。一度お姿拝見、お話を拝聴したい思いをかなえる機会を得た。 地…

「古代歴史の魅力」

「古代歴史文化賞」記念シンポジウム参加希望がかなって、土曜日は友人と久しぶりの奈良行きだった。 「古代歴史文化賞」は、もう今年度で最後となるそうな。 創設は2013年。奈良県・島根県・三重県・和歌山県・宮崎県が連携し、古代歴史の魅力を多くの人に…

9:1より 6:4

聴講券が届き昨日22日、龍谷大学大宮学舎140周年記念シンポジウム開催の会場に出かけた。 大学院で奈良仏教史を専門にされていた澤田瞳子さん。でも、資料を集め読みこむのに9割、残る1割のところで結論を導く研究者には自分は向かなかった。そうではなく、…

自信は慢心

今日は昨夜よりも輝いて満月が上がっている。暑さが戻って、涼しさも一日喜びで終わったが、山の上方、ネオンの輝きが目に入らない闇の中に見る月はくっきりと際立つ。最高に素敵な演出だ。 中外日報社の宗教文化講座に参加し、「山修行の果(はて)とは -…

ひとつ、心に留めたい

「仏教学とはなにか」 そんな大きなテーマでお話を聞くことが自分の何になるのかと、少しばかり出渋らせる思いが湧いた。 宇宙にはたくさんの星が輝いているのにどうして暗いのか。佐々木閑先生は工学部ご出身、物理学のお話からだった。 「古来不変の宇宙法…

「親鸞ファン」

「親鸞ファン」と講題に表現されたのは釈撤宗氏(聞き手)だったそうですが、コピーライター・糸井重里さんのお話を聞いてみたくて西本願寺の聞法会館へ。10時半開演のため10時に着けばと出かけましたら、すでに長蛇の列。開場後は詰めて詰めて、詰め合った…

「この命、何に賭けるか」青山俊董尼僧

「人生は幸せを求めての旅です。何を幸せとするかによって人の人生は大きく変わります。たった一度の人生。今ここに、この一瞬をどう生きるか。今日一日をどう生きるか。――そして、この命、何に賭けるか…」。 話しだされた青山俊董尼僧。1933年愛知県一宮市…

教えに学ぶ

夢枕獏さんの『おにのさうし』を読んで臨んだものの、お話は玄奘三蔵の旅をメインにしたものでした。玄奘がどの道を利用したかは未だに特定されていないとか。ご自身が最有力と考える氷河古道コースを歩いたときの写真を示されながら、旅の話を。そして、人…

「見えないモノのエネルギー」

高野山の入り口にそびえ、一山の総門である大門を訪れた二日目(4日)の朝の気温は20.1度。肌寒かったが、いつ以来かとその感覚を楽しんだ。 五時半、前方に見えだした大門の二階部分南はしに朝陽が当たっているのがわかる。 自然と足は速くなる。後方、東の…

天来の妙音

高野山、東の奥の院に対する西の聖域「壇上」の根本大塔は、コンクリート製でどっしりとした安定感がある。 一階の屋根の上に白塗りの亀腹をのせ、その上に円い欄干を巡らせて、二階の屋根をのせ、更に九輪の宝珠が天上に聳えている。朱色に白い亀腹が目立つ…

恋の面影を探ると

吉田兼好が『徒然草』を執筆してから亡くなるまでの20数年の間、散文を一つも書かなかったのははなぜだろう。 この疑問が発端となって光田和伸先生が出された答えは、「『徒然草』は兼好が愛した女性との思い出を書き残したくて書いたものだ」というもので…

年末に一つ

昨年までの『奥のほそ道』に続き、「『徒然草』その真実」の講義を担当してくださる光田和伸先生は、短歌をご専門とされます。今日は、連歌がどのような文化を作ったか。兼好はそれをどう受け入れたか、といった視点からお話がありました。 もともと「片歌」…

古典の祭典

源氏物語千年紀を記念して京都で2008年に11月1日が「古典の日」と宣言されました。「古典の日に関する法律」が制定され、今年は5周年に当たります。今年は「古典の日フォーラム」ではなく、「古典の祭典」と銘打った京都アスニーでの催しに参加してみること…

言葉は心の足音

「言葉は心の脈拍である」、と記したのは亀井勝一郎だったか。 柔軟な、静かなる知性に浸れる〈ひとこと、ふたこと…〉のブログの世界を今日も楽しみに訪問してから、午後からの『徒然草』講座出席のための準備を始めた。 テキストには岩波文庫の『徒然草』を…

92歳の鞍馬寺貫主さん

“男社会の”仏教教団の中で、40年以上も前から管長としてトップに就任し、古刹と周囲の山を守ってこられた鞍馬寺貫主(す)の信楽香仁さん。大正13年生まれですので、92歳でいらっしゃる。今日は鞍馬寺で「すべての生命かがやく羅網の世界」というテーマで貫…

「千日回峰行のこころ」

5月27日 中外日報創刊120年記念で開講されている「宗教文化講座」に参加した。 本年度2回目。「千日回峰行のこころ」と題した千日回峰行者・光永覚道氏によるお話を、時に声を立てて笑いながら耳を傾けた。 悟りに近づくために行う修行の厳しさをお話…

恋の隠し方

一歩外に出れば、そこかしこが花見の場所だった。ようやく喧噪も落ち着いて、静かに自分を取り戻す時間になってきた。 さくらさくらさくら咲き初め咲き終わりなにもなかったような公園 俵 万智 この1年、光田和伸先生の『徒然草』その真実」を受講することに…

「日本人の慢心」高村薫さん

中外日報社の宗教文化講座、今年度の第一回目がありました。講演は作家の高村薫さんです。 「変化していく社会を軸にして日本人の佇まいを考えたい」。 何をもって「変化」とみなすかは、感覚的なとらえ方だが、6年前の東日本大震災という未曽有の体験を機に…

古典の日

【世界に誇る古典文学である「源氏物語」の存在が記録上確認できるもっとも古い日付が寛弘5年(1008年)11月1日であることから、一千年目にあたる、平成20年(2008年)11月1日に「源氏物語千年紀記念式典」が開催されました。その式典において、古典に親しみ…

難しいことをわかりやすく

「平成27年度 中外日報宗教文化講座 禅の風にきく」第4回目は、玄侑宗久氏の「頓悟漸修(とんごぜんしゅう)という生き方」と題した講演だった。初回とこの最終回にだけ申し込んでいる。5月の講座終了時あたりでは、9月とはなんとも先の話だなと待ち遠しさも…

大塔の風鐸

ぼんやりと夕焼けの空の色に見惚れながら、暑かった一日が終わっていくのを感じている。今日もまた37度を記録した。 夏季大学二日目、午後からの開講までは壇上伽藍や霊宝館を見学して回っていた。根本大塔内部の立体曼陀羅を拝観しながら、こっそり背中を流…

暑い高野山でした

第91回高野山夏季大学開講式を終えた直後の「笑いはこころのビタミン」と題した桂文枝さんの講演は、和やかな笑いにつつまれ緊張がほぐれる時間になりました。面白い、これはわかっている?ことでしたが、やはり面白おかしく上手な話ぶりです。笑いを誘うに…

「禅の風にきく」

出光石油のロゴか「□△○」が描かれた看板が、ある日気付くとガソリンスタンドから消えていた、と話しを始められた山折哲夫氏。 臨済宗中興の祖白隠より80年後、江戸時代後期の仙崖。仙崖和尚による笑いに込めた仏の教え。仏くさいのは我慢できないと、芭蕉批…

わずか1%、だけれど

(「お受戒」のあった大師教会の堂内。開始までは写真撮影が許可されました) ほんの少し日常を離れ、高野山開創1200年を記念した春季特別講座に参加してきました。 講師は倍賞千恵子、鎌田實、五木寛之の三氏。静かに語りかける鎌田さん。これまで著書…

「言葉と出会う、文学と出会う」

芥川賞作家玄月氏と俳句グループ「船団」代表の坪内稔典氏とが対談。小説の言葉と俳句の言葉について考えるフォーラムがありました。 前半の講演で玄月氏は、「ストーリーを越えるものとして文体があり、オリジナルティに富む言葉の組み合わせの強度が小説を…

おひとり様…

『お一人様の老後』『ひとりの午後に』などを読んだことがあるが、上野千鶴子さんのお話をじかにうかがうことはなかった。で、興味を感じて、京都YWCAで企画された講演会に参加。土曜日のこと、「自分らしい“老い”を生きるために」と題したお話だった。 「女…

雨に紫陽花も美しい高野山

8月1・2・3日と高野山夏季大学に参加してきました。雨の高野山でした。 高野山教学部長を勤められる小藪実英さん(福知山の観音寺のご住職)は、ぜひにと高野山へ招かれたことで高校教諭退職後の人生設計が狂ってしまったと、ユーモアを交えながら本音に…

「古典の日」

11月1日「古典の日制定記念 古典の日フォーラム2013」が京都コンサートホールで開催されました。 古典の日推進よびかけ人の瀬戸内寂聴さん。小学生の頃に因幡の白ウサギを演じた思い出を通し、「日本人はみんな小さいうちから知らず知らず古典にとり…